孤猫に満ち溢れていた頃

昔は良かった。
わたしもその程度には年取った。

どう良かったかっていうと、この家のまわり空き地が多かった。

今、わたしの家の前に6軒の家の地所は元は駐車場、その前は某デパートの女子寮の成れの果て、つまりは廃屋だった。
家6軒分が建ったくらいの広さがあったんだから今思えば庭がバカに広いおっそろしく贅沢な造りだったのだ。

廃屋というのはなんだかゾクゾクするような魅力がある。
それが何?
空家なんて迷惑以外の何者でもない。
のご意見は重々承知だけど、、。

とにかく、遊んでる空間が多かった。
後に高校球児となり、そののち大学生、塾講師、俳優、新聞記者となってとうとう家を出てしまった息子は子供だった。

その廃屋の近くにこれまた時代に取り残されたようなアパート、そこにある時珠のごとく美しい白猫が引き取られた。
はたまた、違うアパートのおじさんが面倒を見ている金眼銀眼の玉三郎という名の大きな♂の白猫。

なんでも珠のような白猫は旅行中のお友達から留守の間預かっているという。

なのでほんの数ヶ月で珠の如く美しい白き♀猫は姿を消す。
お友達に返した。という、、。

だが、なんとまぁ、仔猫差し上げます。の張り紙。

どうしたんでしょうね?まさか(゜д゜)
そうです。
あの美しき白猫の子供だそうです。

仔猫は白の♂2匹白黒バイカラーの♀1匹。
貰い手仔猫の頃つかず、お母さん猫は元の飼い主に返したが仔猫は残った。

仔猫たちの運命や如何に?あの猫預かりのお兄さんは3匹の猫を飼えるのか貰い手見つけられるのか?
猫は1年で仔猫じゃなくなる。
猫ども3匹とも飼われていて、貰い手は見つからなかったらしい。

わたしが貰っても良かったのだけれど当時はアパート暮らしだったし一応飼い主いるんなら良かろう。
飼い主さんちゃんと名前をつけていたが、、、。

猫たち、うちの息子ともよく遊んでいた。
遊びついでに3匹猫の本来の名前とは違う名前を息子は付けた。

白猫2匹はクリストファーとアル。バイカラーはぶっちゃん。



猫は1年で大人になる。
仔猫でなくなった猫、クリストファーは新しいテリトリー求め放浪の旅に出てしまった。

アルは留まった。
そしてぶっちゃん仔猫を生む。

飼い主。どうする?
だがだが、どうも飼い主の所在が掴めない。クリストファー、ぶっちゃん、アルは飼い主の帰り待つにしても仔猫は、、。
クリストファー、アル、ぶっちゃんは孤猫となってしまったのか?

その時息子確か3歳か4歳。
まだ手がかかるが猫くらいいてもどうにかなるだろう?

そんな時、わたしのとる道は、、。
孤猫となったぶっちゃんの仔猫、白の金眼銀眼シーラ、サビ猫のちゃぴこ頂いてこっそりアパートで飼育することにした。

次なる手立ては、この近くに自己所有の一軒家手に入れて音楽教室を始めて息子と仔猫2匹を育てるのだ。




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